平成11年車のスズキ・ワゴンR[MC11S]。エンジン始動後「R」や「D」にシフトチェンジするとエンストするということで入庫。その原因とは??
型式 MC11S
エンジン型式 F6A
総走行距離数 110,000km
数ヶ月前にエンジン始動後すぐに「R」にシフトチェンジしてすぐにエンストして、そして今回も同じような症状が数ヶ月振りに出たというので連絡をいただき点検しました。
*エンスト後、エンジンはすぐに掛かり症状はでないという・・・
お客様に数ヶ月前の時の状況を思い出してもらい、まずは聞き取り調査から・・・
お客様『前回も今回も天気は雨だったはずだな・・・』
私『雨??』
お客様『はい、雨の日でした。』
私『雨???』
お客様『他の日は全く問題なく乗れています。』
というような情報しか得られなかったので、まずは症状を再現させるべく一旦エンジンを冷ます。
冷ましている間に・・・
基本点検から!!
スパークプラグ⇒異常なし
プラグコード⇒少し割れていたので交換(少しリークしていた)
ホース類⇒破れや穴あきはなし
吸気関係(エアクリーナー)⇒詰まり等はなし
雨の日の不具合ということで「再現」させるべく雨の状況に限りなく近い環境を作りました。
といっても、ただ「霧吹き」をエンジンルーム内に優しく振りまいてあげただけですが・・・
*あまりエンジンルーム内を濡らしたりすることはエンジンや配線関係などに悪影響となる可能性がありますのでリスクなども頭に入れて使用してください。(自己責任でお願いします)
すると・・・
『ガクッガクッ・・・』
「ストン・・・」
エンストンしました。
こ、これは・・・
『ディストリビューターキャップ』の中に水分が入り込み調子を悪くしていたということが判明しました。
(けっこうこういったトラブル事例は多いです)
あとは、たまにエキゾーストマニホールド(エキマニ)の接続部分のボルトが緩んでいてそこから水分が入ったりすることもあったりするそうです。(これは未経験)
このように、たまにしか出ないような不具合は多く存在します。
話は少しそれますが・・・
車の調子が悪く、整備工場へ向かったのに着いた途端に調子が戻ってしまう車たちも沢山見てきました。
なのでその症状が出たときと同じ状況に近い環境を作って再現できれば、原因探求の糸口に繋がります。
似たような「道」を試運転したり、「暑い」「寒い」の気温変化など様々な状況を作って点検するとちゃんと症状が現れてくれます。
*たまに出ないときもあります。
最近の車は診断機で「アクティブ テスト」も出来てしまうから随分と作業が短縮して楽になりましたね。
ただ、診断機などを使用できない車を使用している方もまだ大勢いらっしゃるのでこれからも日々研究&勉強していかなくてはいけませんね。
まだまだ未熟者なので・・・
今はインターネットで車の症状を検索して原因の可能性を探ったり出来る時代なので、私もそのお手伝いが出来ればと思い掲載してます。
これが100%正しい診断や答えではないので
あくまで「参考」として受け取ってくれたら幸いです。